秋の高い空には、豊作豊漁を願う祝詞がよく響く

公開日: : 最終更新日:2016/01/05 せきこから見た下甑島, せきこの考えるあれこれ, ひとりごと

 下甑島の秋祭り

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(イメージ:Wikipesiaより都井岬の馬)

「天高く馬肥ゆる秋」

空は澄み渡って晴れ、馬が食欲を増し、肥えてたくましくなる秋。秋の好時節をいう言葉。(コトバンクより引用)

私はこの言葉を今まで何気なく使っていました。

ですが、先日下甑島のおじちゃんに「せきちゃん、ほら、空が高くなってきただろう。秋が来たって感じだよ。もうすぐ祭りだしな。」と教えてもらって、初めてまじまじと空を見上げてみました。

確かに、なんだか夏より高くなってる。

調べてみると、夏に日本を覆う太平洋高気圧は湿っていて空が白っぽく見えますが、秋は移動性高気圧に乗って大陸からの乾いた空気がやって来るので、空気中に水分などが少なく澄んでいることで、空が青くなるらしいです。(IBS岩手放送「秋の空はなぜ高いより」)

24年間秋の空を見ていたはずですが、やっとことわざの意味を体感しました。

そして、先ほどのおじちゃんの言葉が今日の日記の本題。

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そう、「祭り」の季節ですよ奥さん。

昔から、農村部では春は祈年祭(一年の五穀豊穣を祈るお祭り)、秋は新嘗祭(収穫に感謝する祭り)が行なわれてきたといわれています。

そりゃあ、収穫物で潤う季節だから馬も肥える訳ですよ奥さん。

というわけで今回、私は2つのお祭りに参加してきました。

 

 

①長浜地区の「みなと祭り」

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長浜地区のみなと祭りは、地区にある敷塩神社の秋の例祭とあわせて漁業集落が行なうお祭りです。

長浜地区はこちら。

今年は炊き出しの海鮮たっぷり味噌汁とおにぎり作り、船団パレードへの参加、魚介類の安売りの釣銭係お手伝いしました。

こちらは去年もお手伝いをしていたので、以下の日記を参考にどうぞ。

(去年の日記はこちら⇒みなと祭りだヨ!全員集合!(その1)/みなと祭りだヨ!全員集合!(その2)

 

そして私が今回一番萌えたのは、これ。

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船団パレードでは、漁船に沢山の大漁旗をつけて飾り付けているのですが、この大漁旗を取り付けているのが「竹」だということに、なんだかとっても萌えました。

今の時代、安くて丈夫な棒は金属製なりプラスチックなり、ホームセンターでもインターネットでも沢山ありますがそれでもお祭りの前に漁師さんが集まって皆で竹を取りに行くとのこと。

ひんやりした質感で丈夫な漁船と、あたたかみのある質感の竹のコントラストに何故だかものすごく惹かれました。

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竹の表面は白くなっていました。塩かな?と思いましたが舐める勇気は出ず。竹由来の成分とかでしょうか?

 

②瀬々野浦地区の「神祭り」

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こちらは長浜地区から山を越えて反対側、西側の瀬々野浦集落で行なわれた「神祭り」です。

場所はこちら。

ここでは集落にある大帯姫神社にて式典が行なわれました。

 

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こちらは奉納踊りのシアノーノー。

由来はこう記されています。

昔からの語り伝えによると、壇の浦で1185年、源氏に敗れた平家が、追手の目を逃れてこの地に辿り着き、敗戦の惨めさの中に常に追手の目を気にしながらも、いつの日か平家再興の夢を果たすために、後世にその念願を託したものといわれる。(2004下甑郷土史より)

一度途絶えたものを、再度復興して今行なわれていること、元々は壮年の男性だけで踊られていたがその後女性も加わったこと、最近は子供が踊るようになっていたが今年は平日で学校があったので久しぶりに大人が踊ったことなどを伺いました。

シアノーノー、初めて見ましたが力強く、秋晴れの青い空に映えとても美しかったです。

 

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そして、無事お祭りが終わったら直会(なおらい)。

直会(なおらい)とは、神社に於ける神事の最後に、神事に参加したもの一同で神酒を戴き神饌を食する行事(共飲共食儀礼)である。一般には、神事終了後の宴会(打ち上げ)とされるが、本来は神事を構成する行事の一つである。神霊が召し上がったものを頂くことにより、神霊との結びつきを強くし、神霊の力を分けてもらい、その加護を期待する。(Wikipediaより)

つまり、神様にささげたお酒を皆でいただくことなんですね。(あとから直会の意味を調べて知ったのですが、そのときは単なる打ち上げだと思っていました。汗)

皆で話したり、歌ったり、踊ったり。

普段会わない方とも沢山お話が出来てとても楽しかった!

飲食を共にするということは、神様と私たちを繋ぐ行為でもあるし、私たち人間同士を繋ぐ行為でもあるんじゃないかと感じました。

「同じ釜の飯を食った仲」という言葉もありますし、やっぱり誰かと一緒にご飯食べるって楽しいし仲良くなれる気がします。

 

私は十八番の木綿のハンカチーフ歌わせていただきました。

多分、ここ一年で下甑島で一番太田裕美を歌っているのは私なんじゃないかと思います。下甑島の太田裕美と呼んでください。

 

そうそう、瀬々野浦の皆さんは特に、冬のびゅうびゅう吹く偏西風に負けないように大きな声で話すと聞きました。

確かに、皆さん声にハリが。瀬々野浦には、石原裕次郎も鳥羽一郎も石川さゆりもいるようです。

ぜひ、そんな歌声が聞きたい方は集落にあるスナックへ♪

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これは、ヒラマサのお刺身。

身がぷりっぷりで、島らしく厚く切っていて歯ごたえも抜群。脂が良い感じで乗っていてほっぺたが落ちそうでした。

漁労長のおじちゃんが、この直会のためにとってきたということで、さすがです。

 

「収穫」を感じるということ

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以前、都会に住んでいたときは農作物や魚介類の旬はテレビや雑誌などのメディアか、スーパーで見るそれらの値段だけでした。

だから、旬や収穫というのもどこか遠くて一つ離れた所の出来事という感じ。大学時代に、専攻していた文化人類学の授業で「祈年祭」「新嘗祭」という言葉にも出会いましたがなんとなく身近に感じることもなく、過ごしていました。

でも、今は島の至る所で畑や田んぼに植えられているものがスクスク育っていたり、台風の風で弱ってしまったりする様子を見たり、実際に漁船にのって魚たちが海から取り出されて人の手にやって来る姿を見たりしました。

そうすると、人が食べているものは、人が自然の中で育てたりとったりしているんだと如実にリアルに感じるようになったし、その成果が人の力では及ばない自然の出来事(気象状況や、ある種の運)に左右されていることも分かりました。だから、春は「どうか、沢山とれますように」と祈るし、秋は「ありがとうございました、沢山取れました」と祈るんですね。

「天高く馬肥ゆる秋」に加えて、言葉だけ、事柄だけ知っていた「祈り」の意味もストンと腑に落ちたような感覚でした。

(「ものを食べる」について考えた過去の日記はこちら⇒キクラゲを採ったは良いものの食べ方に非常に四苦八苦した話

 

秋はもう一つ、青瀬地区でもお祭りが行なわれていたのですが日時が重なり参加できず。来年はぜひ参加したいです。

お祭りは、集落外の人でも見学可能な場合もあります。詳しくはそれぞれの地区にお伺いください。見学するのはとても素敵な経験になりそうですね。

その際には、その場の空気を守って静かな場合は粛々と。盛り上がるところは大いに盛り上がって地域の方と一緒に神様にお祈りしてください♪

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せきこ

下甑島地域おこし協力隊
旅行代理店を経て東シナ海に浮かぶ下甑島の地域おこし協力隊に。 観光案内所のスタッフと観光商品や特産品の開発をしつつ、観光と地域の良い関わり方を模索中。

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